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チケット購入

コンサートや演劇、スポーツ観戦などのチケットの高額転売が問題になっており、不正行為を防ごうとeKYCを導入している企業も登場しています。ここでは、一般ユーザーと企業それぞれの視点から、チケット購入にeKYCを導入することによる変化やメリット・デメリットなどについてまとめました。

一般ユーザーの方へ:
eKYCでチケット購入はどう変わる?

イベントを主催する企業がチケット購入にeKYCを導入した場合、購入者は顔写真または顔写真の付いた本人確認書類の撮影・登録が必要になります。入場時に登録された顔写真をもとに本人確認されることで、高額転売を目的とした購入者によるチケットの買い占めを防ぐことが可能に。それにより、イベントを心待ちにしているファンにチケットが行き渡りやすくなります。

また、eKYCと合わせて顔認証システムを導入することで、これまで目視で行なわれていた本人確認の時間の短縮化を実現。スムーズに入場できるようになるため、入場待ちのために炎天下や寒空の下で長く待たされることがなくなります。

eKYC導入検討している企業様へ:
チケット購入のeKYC事例

個人間の公演チケットの売買を仲介しているチケット流通センターでは、不正売買を防止するためにすべての売り手に対して本人確認を必須とする利用規約を定めています。2020年6月には本人確認業務の代行として株式会社TRUSTDOCKと業務提携を開始し、同社が提供しているe-KYC/本人確認APIサービスの導入を実施。eKYCの導入により、本人確認業務の円滑化が期待されています。

参照元:株式会社TRUSTDOCK公式HP(https://biz.trustdock.io/news/ekyc-ticket-market-wavedash

買取業界でのeKYC導入の現状

チケットの買取を行なう業者には、古物営業法および同法施行規則によって本人確認が義務付けられています。これまではインターネットでチケットをはじめとした中古品の買取を行なう場合、本人確認書類のコピーを提出してもらい、そこに記載された住所に送付した簡易書留を受け取ることで本人確認を完了としていました。

それが2018年の法改正によって本人確認の方法が追加され、オンライン上で本人確認を完結させることが可能に。eKYCの導入は本人確認の簡略化や郵送コストの削減が期待できることから、買取業界での普及が進むと考えられています。

チケット購入にeKYCを導入するメリット

チケット購入にeKYCを導入するメリットとしてまずあげられるのが、転売の防止です。高額転売を目的とした購入が増えるとファンにチケットが行き渡りにくくなり、イベントを主催する側への不満やファン離れにもつながりかねません。eKYCを導入することで高額転売への対策を講じているアピールにもなるほか、顔認証システムと組み合わせれば入場時の本人確認の簡略化も実現できます。

チケット購入にeKYCを導入するリスク

eKYCはオンライン上にチケット購入者の個人情報が登録されるため、情報漏えいや目的外利用といったリスクが考えられます。導入する企業には適切な情報管理が求められ、人材やコストの確保が必要です。また、eKYCは本人確認が簡略化される一方で、顔写真付の公的身分証を持っていないユーザーがチケットを購入できないデメリットもあり。また、本人確認書類の登録が面倒で購入を諦める可能性も考えられ、機会損失につながるリスクもあります。

本人確認を行わなかった場合に起こりうるリスク

情報漏えい・なりすまし

eKYCを導入することでチケット情報の照合や本人確認を迅速化できますが、一方で適切なシステム管理やセキュリティ対策が行われていなければ登録情報が流出して個人情報の漏えいといったセキュリティインシデントのリスクが増大してしまいます。

また、精度の低いシステムを導入した場合、転売やなりすましを防ぐこともできません。

不正技術への対応

eKYCのようなデジタル技術が進化しているのと同様に、マルウェアや不正なツールなどに関する技術も進化しており、常に事業者やシステム管理者には適切なセキュリティ対策が求められます。

特にeKYCは個人情報の宝庫であり、ある意味において悪意を持った人間にとって格好のターゲットになり得る点を理解しておかなければなりません。

eKYCの今後の展望

eKYCは本人確認の簡略化を実現できることから、チケット購入だけでなく、本人確認が必要となるさまざまなシーンでの活用が見込まれます。ただ、導入する企業にとっては対応できないユーザーを逃したり、個人情報の管理が必要だったりなどのデメリットやリスクも。今後さらにeKYCの普及を促進するためにも、eKYCの持つ課題を踏まえたサービスの開発・提供が行なわれる可能性があります。

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