健康保険証は身分証明書や本人確認書類として使用されていますが、2020年10月に施行された改正健康保険法で健康保険証に記載されている情報の一部が提供不要になったため、現在ではeKYCで健康保険証を利用する際にマスキングなどが必要です。
2024年5月現在、政府は医療機関などでの本人確認に関して、従来の健康保険証からマイナンバーカードによる確認作業への移行を推奨していますが、現時点において健康保険証は様々な機関やサービスにおいて本人確認書類として使用可能です。しかし、一方で従来の健康保険証には顔写真の掲載がなく、健康保険証だけでは本人確認が完了できない場面も少なくありません。そのため健康保険証を使って本人確認をする場合、住民票など追加の書類が求められることもあります。
また2020年10月1日に施行された改正健康保険法により、身分証明書として健康保険証を使う際に「記号・番号・保険者番号・QRコード」の情報提供が不要となり、eKYCで健康保険証を使う場合はむしろそれらの情報を隠すためのマスキングが求められるようになっています。
参照元:厚生労働省|医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13989.html)
健康保険証は本人確認書類として有効であるものの不十分であり、eKYCによる本人確認を導入する際には健康保険証でなくマイナンバーカードや運転免許証、在留カードといった本人写真も確認できる書類を利用することが一般的です。
しかし、身分証明書として健康保険証や住民票などしか持っていない人もおり、そのような人々のためにeKYC導入のメリットを拡充させるには、健康保険証への対応が求められることもあるでしょう。
ただし現行法において健康保険証の情報については告知要求制限が定められており、企業側は利用者に対して当該情報を提供しないよう、あらかじめ健康保険証へマスキングするなどして情報を隠してもらえるようにお願いしなければなりません。
告知要求制限とは2020年10月1日からスタートした制度です。情報社会において人々のプライバシー保護を重視する観点から、健康保険事業などに関する目的を除いて、本人確認に必要な情報以外の数字や文言については利用者へ開示・告知を要求しないよう企業や団体などへ義務づけられました。
また対象となる情報は診療記録や病歴などに関するものとなっており、これは健康保険証を利用する場合に限りません。そのため健康保険証に記載されている「記号・番号・保険者番号・QRコード」だけでなく、例えば運転免許証を本人確認書類として利用する場合においても、仮に免許証の裏に病歴や診療・調剤などに関連した情報が記載されている場合、あらかじめマスキングなどで情報を隠してもらえるように利用者へお願いすることが必要となります。
eKYC導入に際して本人確認書類に健康保険証を採用する場合、告知要求制限に抵触しないよう、利用者に対する正しいマスキングの教示や情報管理の徹底を前提に考えていくことが大切です。
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