証券会社で口座開設をする際など、投資を始めるときには本人確認が行われます。各種ファンドを提供する会社では、本人確認を徹底するためeKYCの導入が進んでいるようです。
投資業界におけるeKYCの動向や事例などを、まとめてお伝えします。
多額の資金が動く投資活動では、仮名取引などの不正利用を防ぐことを目的に、本人確認が行われます。これは、金融商品取引法で定められた決まりです。また、犯罪収益移転防止法においても、投資会社には本人確認が求められます。
従来の本人確認の方法は、たとえば証券口座を開く場合には店頭で本人確認書類を持参するのが通例でした。ただ、オンライン取引のニーズが高まった現在では、インターネット上で本人確認ができる会社も増えています。具体的には、スマートフォンで申込者の顔や本人確認書類を撮影して送るといった本人確認を実施している会社もあります。こうした会社を利用すれば、より便利で、迅速な取引実行ができるという点もメリットのひとつです。
松井証券では、スマートフォンで本人確認を実施できるeKYCを導入し、個人口座の開設にかかる時間を短縮。最短即日で開設が完了し、申し込んだその日から取引を実行することも可能です。
中小企業や個人経営者への投資を行う株式会社ジャパンビジネスファンディングでは、ショーケースが提供するeKYCを導入しています。わかりやすくて使いやすいと、投資家からの評判もよいそうです。
株式会社外為どっとコムでは、AI技術を活用して顔画像の照合や本人確認書類の読み取りを実現する、Deep PerceptのeKYCを導入。利便性の向上や業務効率化にもつながっています。
不動産投資を始めたい人のために、オンラインで気軽に不動産投資を始められる不動産クラウドファンディング「SOLS」を提供している株式会社不二興産では、犯罪収益移転防止法へ準拠したオンライン本人確認を徹底するため「ProTech ID Checker」を導入しています。
これにより100%オンラインで申込み手続きを完了できるようになりました。
インターネットを活用したオンライン取引のニーズは、ますます高まっています。一方で、証券会社には各種法律に遵守した取引がなされるよう、本人確認をはじめ管理の徹底が求められます。
eKYCを導入することで、その管理の負担軽減につながりますから、今後も導入する企業は増えていくと考えられます。
投資用口座を開設する際、事業者には犯罪収益移転防止法に基づく本人確認の実施が義務付けられています。オンライン上で投資用口座を開設する場合、eKYCを導入していれば本人確認もオンラインで完結することが可能。eKYCを活用することで本人確認を簡略化できるため、最短即日での口座開設を実現できます。
株や不動産など刻一刻と状況が変わる投資において、早く口座を開設できるかはユーザーにとってかなり重要なポイントです。「全てオンラインで完結できる」とうたうことで、従来の本人確認を採用している証券会社との差別化にもつながります。
従来の本人確認は目視によって行われており、業務負担が課題となっていました。AIなどを使った顔認証技術が組み込まれているeKYCなら、本人の顔写真と本人確認書類の顔写真を自動で照合し、同一人物かを判断することが可能。本人確認業務が自動化されることで業務負担の軽減を叶えられ、ユーザーにとっても早くサービスを利用できるメリットがあります。
また、企業としてのコンプライアンスを遵守したい場合は、本人確認と同時に反社チェックも行えるeKYCを導入すると良いでしょう。
債権や投資商品を初めて購入する場合、販売している会社で口座を開設する必要があります。口座開設時の本人確認を従来の手法で行なうとなると手間や時間がかかり、ユーザーの離脱につながるのが課題となっていました。eKYCを活用することで口座の早期開設を実現でき、投機タイミングを逃したくないユーザーの離脱を防げます。
導入コストや開発コストも、投資の一部。eKYCにより、業務効率の向上や人件費削減も見込めますから、それぞれを対比したうえで検討してみてはいかがでしょうか。
認証精度の低いeKYCサービスを選んでしまった場合、偽造書類を使ったなりすましや誤情報などのセキュリティリスクが考えられます。eKYCの認証精度の高さは各社で異なるため、セキュリティリスクに備えるためにも認証精度の高いサービスを選ぶことが重要です。
また、認証精度が低いサービスだと本人確認に時間がかかったり、ユーザーからの問い合わせ対応でカスタマーサポートの業務負担が増えたり、と導入前よりかえって余計な手間がかかってしまうことがあります。本人確認に時間がかかるとユーザーが離脱する原因にもなるため、顧客満足度や業務負担の軽減という面からも認証精度の高さは重要なポイントです。
取り扱っている顧客情報の数が非常に多いので、導入したeKYCに不要な機能が多いと本人確認の処理に時間がかかる可能性があります。そのため、必要な機能だけを選択できるかサービスかどうかも、自社に合ったeKYCを導入するうえで重要です。カスタマイズに対応していないサービスも多いので、導入してから後悔しないよう事前に確認しておきましょう。
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