オンライン上の本人確認(eKYC)では、パスポートも身分証明として使用できます。ただし、すべてのパスポートが使えるわけではないので、注意が必要です。
eKYCにおいて、パスポートによる本人確認のポイントをお伝えします。
eKYCを導入している事業者で本人確認を行う場合、パスポートをスマートフォンで撮影し、その画像をオンライン上でアップロードすることで完結できます。
パスポートを撮影する際には、顔写真や氏名、生年月日、有効期限といった情報がはっきり見える(読み取れる)ようにするのがポイント。光の反射で顔写真が見えないといった画像だと、本人確認ができません。鮮明に写せるところで、ピントのずれやブレのないよう撮影しましょう。
なお、2020年2月4日以降に申請されたパスポートには所持人記入欄がないため、本人確認書類として認められないことにも注意が必要です。手書きの住所などは改ざんできるものですから、該当のパスポートをお持ちの方は他の本人確認書類を利用しましょう。
パスポートの本人確認(eKYC)は、顔写真の画像や文字の解析、ICチップの情報をもとにチェックするのが通例です。
顔写真の画像は、一緒に送られてきた本人の顔写真の画像と突合をして照合します。オペレーターによる目視やAIの画像識別など、照合作業は事業者によって異なりますが、目視と技術を合わせて確認することで厳格な本人確認を実施できます。
文字情報の解析は目視確認だけでも可能ですが、OCR(光学的文字認識)という技術を採用しているeKYCシステムだと、機械が自動で読み取りますから作業負担を軽減できます。eKYCシステムのなかには、読み取った文字情報を申込時のエントリーフォームに反映できるものもあります。ユーザーにとって利便性の高いサービスがあると、離脱率の低下にもつながるので検討してみてはいかがでしょうか。
また、ICチップの情報は信頼性が高いものですから、本人確認業務の短縮につながります。ただし、利用者からみると、カードリーダーが必要だったりNFC対応のスマホを使ったりとハードルが高いという側面もあります。
犯罪収益移転防止法では、該当する事業者に対して利用者の本人確認を義務づけるとともに、本人確認の方法も定めています。
パスポートは、eKYC[ホ][ヘ][ト]に該当しますから転送不要郵便などの郵送は不要です。また、ICチップの情報がある場合は、特定事業者のソフトウェアを用いて撮影しパスポートの厚さなどを捉えている画像であればよい、といった利点があります。
本人確認は、オペレーターなどの人の目で目視確認することが重要です。ただ、利用者の多い事業所だと膨大な量のチェックが必要になりますし、近年は加工や改ざんの技術も進歩して人の目で見破れないパスポートも現れています。
eKYCのサービス提供会社では、高度な加工・改ざんでも検知できるOCRやAIといった技術を採用しているところもあります。業務効率化を進めるうえでも、こうした技術と目視をあわせることで、本人確認を強化することも大切です。
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