eKYC(電子的な本人確認)は、オンライン上で本人確認を行うための技術や手法を指します。特に金融機関や各種オンラインサービスにおいて、利用者が窓口に出向くことなく、本人確認を完了できる仕組みとして近年注目されています。
その中でも「ワ方式」は、犯罪収益移転防止法に基づき定められた本人確認の5つの方式のひとつであり、高いセキュリティと利便性を兼ね備えた方法として広く利用されています。本記事では、「ワ方式」の仕組みや特徴、導入事例、注意点について詳しく解説します。
ワ方式は、本人確認書類(例:運転免許証)と本人の容貌を撮影した画像を送信し、これらを照合することで本人確認を行う非対面型の確認方法です。この方式は、利用者にとって利便性が高く、特にスマートフォンを活用することで手軽に利用できる点が特徴です。
ワ方式は、犯罪収益移転防止法第6条1項第1号ワに基づき、法令で認められた正式な本人確認手段です。これにより、信頼性と法的適合性が確保されています。
利用者はスマートフォンやパソコンを使用してオンライン上で本人確認を完了できるため、窓口に出向く必要がありません。特に、若年層やデジタルネイティブ層にとって、使いやすい手段として支持されています。
AI技術や顔認証技術の進化により、本人確認書類と容貌画像の一致率が向上しています。不正利用を防ぎ、セキュリティ面での信頼性が高いことが特徴です。
従来のホ方式やヘ方式では、バックオフィスでの目視確認が必要でしたが、ワ方式ではこれを削減できます。これにより、事務作業の効率化が図られます。
本人確認書類の画像を送信し、郵便物の受け取りで確認する方式です。郵送の時間がかかり、ユーザー体験の質が低下する可能性があります。
本人確認書類の画像を送信し、銀行口座への少額入金で確認する方式です。確認手順が複雑なため、ユーザーにとって手間がかかる場合があります。
これらと比較して、ワ方式は利用者がその場で操作を完了できる点で、時間効率と利便性に優れています。
三井住友銀行では、「Olive」口座開設時にワ方式を採用しています。これにより、利用者はスマートフォンでスムーズに本人確認を完了できます。
フリマアプリ「メルカリ」のスマホ決済サービス「メルペイ」では、ワ方式を用いた本人確認を導入し、ユーザー体験の向上を図っています。
提出された画像やデータを安全に取り扱うため、通信の暗号化や不正アクセス防止措置を講じる必要があります。
利用者に対して、画像を鮮明に撮影するよう求めることで、照合精度を向上させることが可能です。
スマートフォン操作に慣れていないユーザーへのサポート体制が求められます。
政府が推進する「マイナンバーカードの活用促進」や、デジタル社会の発展に伴い、ワ方式はさらに多くの場面で利用されることが予測されます。特に、行政手続きや各種サービスにおける本人確認の効率化が期待されます。
ワ方式は、利便性とセキュリティを兼ね備えたeKYCの重要な手法です。特に、オンラインサービスの拡大やデジタル社会の進化に伴い、今後も利用が拡大することが見込まれます。導入を検討する企業にとっては、ユーザー体験を向上させる手段として、導入のメリットが大きい方法といえるでしょう。
短期間導入・AI自動審査で
業務効率UP可能なeKYC
社内SEと要件定義から
開発設計・導入
金融機関水準の
セキュリティで導入