近年、利用者が増えているマッチングアプリ。優良なアプリであれば、その利用時に本人確認が義務付けられています。
婚活などのマッチング業界におけるeKYCの動向や、導入事例などをまとめて紹介します。
日本でマッチングアプリを運営する際には、「インターネット異性紹介事業」の届出が必要です。届出には、個人情報保護法などのコンプライアンス遵守が求められます。また、利用者には出会い系サイト規制法により「18歳以上でなければ利用できない」と年齢制限が求められますから、本人確認が必要になるのです。
マッチングアプリの本人確認は、利用者の顔や本人確認書類をスマートフォンで撮影し、アプリで送信することにより完了します。アプリ運営会社では、eKYCのシステムなどを活用して利用者の情報管理を徹底するなど、健全な運営に努めていることも、マッチングアプリの信頼性につながっています。
顔写真をあえて非公開にする方式のマッチングサービス「knew」では、出会い系サイト規制法に準拠した会員登録時の年齢確認実施のために、eKYCによる本人確認APIサービスを導入しています。利用者の氏名・住所といったプライバシーは保護しつつ生年月日の突合のみを行えるシステムにすることで、ユーザーからの信頼性の獲得に繋げました。
LIQUIDが提供するeKYCを導入したA社では、審査を厳密にするため「真贋判定」をシステムで行っています。申請者が実在する人であることを判定する機能で、精度の高い本人証明を実現しています。
婚活などのいわゆる「出会い系」サービス以外のマッチングにも、eKYCは活用されています。アルバイトやパート勤務などの仕事を紹介するマッチングサービスでは、アプリ上のeKYCで本人確認のとれたユーザーだけが求人に応募できる仕組みが採用されています。サービスを利用する事業者は本人確認のコストを低減できるほか、幅広い本人確認書類に対応することでユーザーの利便性を高め、応募者の獲得に繋げています。
健康管理やボディメイキング、フィットネスなどスポーツ分野のニーズへ対応するマッチングサービス「FISTY」では、トレーナーやインストラクターとユーザーを結びつけるという特性上、それぞれの人物や団体の信頼性を担保するため「オンライン本⼈確認サービスeKYC」や「本⼈確認BPOサービス」による本人確認を導入しています。
株式会社LX DESIGNでは教師や講師を紹介する教育特化型人材マッチングサービスを運営していますが、学校など教育現場へ人材を紹介する際には事前に人物の身元確認を徹底することが不可欠です。そのため従来は自社で本人確認を行っていたものの、eKYCを導入したことで業務負担が軽減してコア事業へ注力する余裕も生まれました。
以前は、なりすましなどの不正利用によりトラブルや犯罪が散見されたマッチングアプリですが、近年は法改正に加えて、安心して利用できるよう自主的な改善に努める運営会社が増えているようです。
eKYCを導入して本人確認を強化しているのも、その一例。eKYCの導入は業界全体で進んでいくと予測されます。
マッチングサービス登録時の本人確認は、法律上義務付けられていません。ただ、悪質な業者による複数登録、または異性や他人へのなりすまし等があると、サービスの信頼性や評価を損なうリスクがあります。また、他人の身分証を使って18歳未満のユーザーが登録した場合、法律違反となって事業者にも重い罰則が与えられるため、注意が必要です。
そういったリスクを低減するために、本人確認に取り組む企業が増えています。本人確認にeKYCを活用することでオンラインで本人確認を完結できるほか、高精度な画像認識システムや生体認証技術によって、なりすましや不正利用の防止に取り組めます。
マッチングサービスの利用で不安視されやすいのが、個人情報の流出です。実際にマッチングアプリ利用者の個人情報が流出した事件も発生しており、個人情報の管理は安心してサービスを利用してもらうためにも事業者が取り組むべき課題になります。
eKYCのなかには情報の暗号化などでセキュリティ対策を行っているサービスもあり、個人情報の流出リスクを低減させることが可能。個人情報の管理を徹底していることはアピールポイントにもなり、競合サービスとの差別化を図って集客へとつなげられます。
eKYCの導入を検討する際には、利用者にとって使いやすいシステムを選ぶことが大切です。判定時のエラーも少なく、離脱率の低いシステムを選ぶこともポイントでしょう。
マッチングサービスの利用者数は常に一定ではなく、クリスマスなどのイベント前や登録キャンペーンなどで利用者数が大きく変動します。そのため、eKYCサービスを導入する際は、利用者数の増減に対応可能かどうかを必ず確認するようにしましょう。
たとえば、月当たりの利用者数の上限が決まっているサービスの場合、利用者数の増加にeKYCが対応できず、ユーザーのサービス利用が遅れてしまいます。それだと別のマッチングサービスにユーザーが流れかねないため、自社の規模に合っているかどうかは注意して確認すべきポイントです。
マッチングアプリはユーザーが低コストで気軽に利用できる点が人気を集めているため、低コストのサービスを継続して提供し続けるには人的コストやその他事務作業に関わるコストを削減する必要があります。eKYCを選ぶ際は本人確認作業の負担軽減を叶えながらも、eKYCの導入によってコストが増えることにならないように注意しましょう。
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