ト方式は、ユーザーの銀行口座情報と本人確認書類を組み合わせて本人確認を行う方法です。この方式の具体的な手順は以下の通りです。
ユーザーが運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類をスマートフォンやPCで撮影し、その画像を事業者に送信します。
事業者は、ユーザーが提供した銀行口座に少額(例えば1円や10円など)の振込を行います。この振込には一意の識別情報(振込人名や取引番号など)が含まれています。
ユーザーは、自分の銀行口座取引明細を確認し、識別情報を事業者に報告するか、スクリーンショットを提出します。
提出された情報を事業者が照合し、本人確認を完了します。
このプロセスにより、ユーザーが提供した銀行口座が本人のものであることを確認できるため、不正利用のリスクを低減できます。
ト方式は、銀行APIと本人確認書類の二重の確認プロセスを利用するため、不正アクセスやなりすましのリスクを大幅に低減します。銀行情報を使用することで、従来の方式よりも信頼性が向上します。
銀行口座情報を使用するため、ユーザーの身元が確実に確認されます。特に、金融機関や法律を遵守する必要があるサービスにおいて、信頼性の高さが評価されています。
対面や郵送方式と異なり、ト方式は完全オンラインで完結するため、ユーザーがどこにいても利用可能です。
現時点では、銀行APIを公開している金融機関が限られており、ト方式を利用できる銀行の選択肢が狭いという課題があります。
銀行口座取引明細の確認やスクリーンショットの提出など、ユーザー側に一定の手間が発生します。他の方式(ホ方式やヘ方式)と比較して煩雑に感じる場合があります。
事業者側にとって、銀行APIを活用するためのシステム構築や維持費用が発生するため、小規模な事業者にはハードルが高いことがあります。
ト方式を選択するかどうかは、他のeKYC方式との比較を行うことで判断できます。以下に主要なeKYC方式との違いを示します。
セルフィーと本人確認書類の画像を送信する方式。手軽さが魅力だが、セキュリティはト方式より低い。
ICチップ情報を活用した方式。ト方式よりも技術的要件が高いが、セキュリティは非常に高い。
公的個人認証を利用する方式。政府主導の信頼性が高いが、利用にあたり特定のカードリーダーが必要な場合がある。
銀行APIの普及が進むことで、ト方式の利用可能範囲は拡大すると期待されています。また、ユーザーの手間を軽減するために、自動化されたシステムやユーザーフレンドリーなインターフェースの導入が進められています。
ト方式は、銀行口座情報を活用することで高いセキュリティと信頼性を実現するeKYC方式です。一方で、利用可能な銀行の制約やユーザー負担の大きさといった課題もあります。他の方式との比較を行い、自社のサービスやユーザーのニーズに最適な方式を選択することが重要です。
ト方式は、特に金融機関やセキュリティが重視されるサービスにおいて、効果的な本人確認手段としての可能性を秘めています。銀行APIの普及と技術革新により、より広範な利用が期待されています。
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