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eKYC市場での需要

eKYCを導入する企業が増えている中で、現在の市場規模はどのくらいなのでしょうか。こちらではeKYCの市場規模や今後の展望について解説します。

eKYC、現在の市場規模

eKYCはさまざまな企業で導入が進んでおり、2018年11月に施行された「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の改正を機に、eKYC市場は右肩上がりとなっています。
まだ正確な数字は出ていないようですが、2021年度では54億円程の市場規模と言われています。
さまざまなベンダーからeKYCのシステムが提供されていることから、ますます市場規模は伸びていくでしょう。

参照元:矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2760

eKYC市場規模拡大の背景

eKYC市場規模は年々拡大しており、2019年度では15億1200万円ほどだった市場規模ですが、2020年には倍以上増えて40億8300万円現在の市場規模、2024年度には63億円ほどに上ると予測されています。
「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の改正を契機に、右肩上がりの市場となってきている背景としては、非対面で申込みから本人確認まで行えるという点の利便性で、企業側も人員や郵送などのコストが軽減できるだけでなく、顧客側にも大きなメリットがあるためといえるでしょう。
各金融機関でオンラインによる本人確認というサービスが、企業にとっても顧客にとっても必要なものであるという認識が広まってきています。

参照元:矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2760

海外でのeKYC利用状況

日本で導入が進められているeKYC。日本においてeKYC導入が進められたのは2018年11月の犯収法改正後ですが、実は海外ではさらに前からeKYCの利用が始まっています。

アメリカやイギリスでは「合理的な方法で確実な認証ができる場合は、eKYCを事業者が独自に導入して良い」と定められています。

他にもシンガポールでは、オンラインで本人確認を行えば銀行口座を開設可能。書類を郵送する必要はありません。シンガポールでは2017年より金融機関向けのオンラインの顧客プラットフォームの構築計画が進められており、ビデオ認証や生体認証を例示しています。

諸外国での導入状況

ドイツやフランス、スイスでも非対面認証方式が認められており、オンライン手続きの法整備が進められています。

ドイツでは、2014年に「一定基準を満たせばビデオ認証を対面認証とみなすことができる」と規定。フランスでは2018年から非対面認証における追加措置の手法を拡大中です。また、スイスでは2016年に「ビデオ認証とオンライン認証が許容される、具体的な手続き」を通達しています。

各国のeKYC導入状況をみると、アメリカやイギリス、シンガポールは自由度が高く、事業者の判断に委ねる部分が多くあります。一方フランスやスイス、ドイツは厳格化しており、法律上で細かく規定されています。
さらにインドでは独自の手法を用いており、公的個人情報データベース(アドハー)を活用した非対面認証を進めています。

今後のeKYCの展望

右肩上がりのeKYC市場は、これからもどんどん伸びていくと考えられています。
大手都市銀行などの金融機関では導入が進んでいくことはもちろんのこと、今後は地方銀行にも広がっていくでしょう。
さらに、身元確認が必須ではない業種においても、マッチングアプリやレンタルサービスなどでも信頼性向上を目的に、導入が進んでいくと予測されています。 そのため、これからeKYCの導入を検討している方は、ベンダー各社の違いをしっかり把握し、自社に合ったeKYCを選ぶことが重要です。
とはいえ、さまざまな企業でeKYCを開発しているため、どのeKYCがよいかわからないという方も多いでしょう。
そこで、編集チームがおすすめする導入実績が豊富なeKYC開発ベンダーを3社ピックアップしましたので、あわせてチェックしてみてください。

特集|導入実績豊富な「eKYC」開発ベンダー3選

各業界毎の期待インパクト・注目ポイント

銀行をはじめとする金融機関で多く採用されているeKYCですが、これからは金融機関以外にも導入の波は広がっていくと考えられます。
たとえば、郵送コストや契約書などの回収コストの軽減を目的として、製造業や教育関連の業種、書類の改ざんや偽造の防止を目的として、不動産業などでも広く導入が進められていくでしょう。
このように、金融機関以外の業種でも活用することでメリットの大きい業種もありますので、これからはより多くの業種で取り入れられていくでしょう。

編集チームまとめ

年々拡大の一途をたどるeKYC業界。
これからもより多くの業種で導入が進められていくことでしょう。
金融機関以外でもメリットの大きいeKYCを早めに導入することで、多くの顧客を囲い込めるかもしれません。